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2015年8月2日日曜日

Horizon for Linux を試す(3) Redhat Enterprise Linux 7.1 に Horizon View Agentを入れてVDIとして利用する。

では実際に、RHEL7.1を利用して、LinuxVDIを構築してみたいと思います。

まずは、仮想マシンを作成するときのポイントです。
ViewAdministratorによる自動展開機能が使えませんので、作成する仮想マシンの設定をポイントがあります。それは、ビデオメモリーのところです。マルチモニターにするときには特に注意が必要です。

ビデオメモリーの参考値は以下の通りとなります。

VRAM サイズモニタ数最大解像度
10 MB11600x1200 または 1680x1050
12 MB11920x1440
16 MB12560x1600
32 MB22048x1536 または 2560x1600
48 MB32048x1536
64 MB32560x1600
64 MB42048x1536
128 MB42560x1600
RHEL および CentOS は、vSphere 5.5 でのみこの構成をサポートします。
この構成を Ubuntu でサポートするには、カーネルを再コンパイルする必要があります。 NeoKylin では、この構成はサポートされません。

(参考)Horizon 6 for Linux のシステム要件
https://pubs.vmware.com/horizon-61-view/index.jsp#com.vmware.horizon-view.linuxdesktops.doc/GUID-E268BDBF-1D89-492B-8563-88936FD6607A.html



さらに、マルチモニターに対応できるパラメーターを追加します。


マルチモニターに対応するパラメーター
svga.maxWidth="10240"
svga.maxHeight="2048"

さて、ではOSインストールをしていきましょう。

RHEL7.1のインストール自体は普通でよいのですが、GUIが必須ですので、かならずGUI使用を選択します。


インストールが終わりましたら、必ず「VMware Tools」インストールします。
これが入っていないと、Viewのagentもインストールできません。

これで、インターネットに繋がっていることを確認します。
なぜかというと、View Agentが、JRE1.7をインターネットからダウンロードする仕組みが組み込まれているためです。
もし、インターネットに繋がる環境でない場合は、あらかじめ自分でJRE1.7をインストールしておく必要があります。このときは、必ずrpm版をインストールしてください。

また、自分のホスト名がDNSで正引きできることが必要です。
DNSの準備ができない場合は、hostsファイルに記入することで対応することも可能です。


ここまで準備ができたら、次はView Agentのインストールです。
tar xvf VMware-viewagent-linux-x86_64-6.1.1-2772438.tar

で、解凍します。

続いて、Agentをインストールします。

./install_viewagent.sh -b 10.10.10.10 -d labo.local -u administrator -p password -n RHEL71CL

パラメータがたくさん必要ですね。必要なパラメータは以下の通りです。


パラメーター解説
-bView ConnectionサーバーのIP or FQDN
-dActiveDirectoryのドメイン
(ViewConnectionサーバーが属しているADドメインをFQDNで記入)
-uVIewAdministratorの管理者ユーザー
-p-uで指定した管理者ユーザーのパスワード
-nViewAdministratorに登録する名称

さて、これでView Administratorに登録されたかを確認したいのですが、その前に、RHEL7から、サービス起動手法がsystemdに変わっているのですが、このViewAgentは、まだsystemdに対応していません。そのためRHEL7.xに互換として残されている旧来からのinit.dに起動スクリプトを配置しておきます。

cp viewagent /etc/rc.d/init.d/
chmod +x /etc/rc.d/init.d/viewagent

これで、コピーと実行権限を付与します。

サービスとして起動する必要もありますので、

chkconfig --add viewagent
chkconfig viewagent on

もやっておきましょう。

さて、VMwareのドキュメントでは、以下の記載があります。

前提条件
  1. View Agent が Linux ゲスト OS にインストールされていることを確認します。Linux 仮想マシンに View Agent をインストールするを参照してください。
  2. Linux 仮想マシンが View 接続サーバに登録されていることを確認します。View Administrator で、[View 構成] > [登録済みのマシン] を選択して、[その他] タブを選択します。各仮想マシンの状態が 使用可能 であることを確認します。
(参考)
Linux 仮想マシンを含むデスクトップ プールを作成する
https://pubs.vmware.com/horizon-61-view/index.jsp#com.vmware.horizon-view.linuxdesktops.doc/GUID-0E3E3C7F-620B-496F-8C20-BAE6F93B817C.html

しかし、実際の画面を見ても一覧に上がってきません。

ここはポイントです
しかし、大丈夫です。エラーが出ていなければちゃんと登録されています。
たぶん、これはバグかドキュメントの記載ミスだと思います。
ちなみに、プールに登録された仮想マシンはこちらの一覧にマシンが追加表示されます。

ここは無視して、プールを作成したいと思います。

まず、プールの種類は「手動」を選択します。


専用か、流動かはお好きな方でどうぞ。

さて、ここがポイントです。仮想マシンでRHELを稼働していたとしても、必ず「その他のソース」を選択します。

IDや表示名は自由でよいです

さて、詳細な設定ですが、この画面はWindowsでしか適用できないパラメーターが数多く表示されています。プロトコルはRDPでもPCoIPでもありませんし、HTML Accessも現行対応しておりません。
無視して、次に進みましょう。


次に仮想マシンの選択です。
ViewAdministratorに出ていなくても、ちゃんとプールの選択からは出てくるんです!!
私はこれを知らずに、何度もAgentの再インストールをしたら、ゴミがいっぱい残ってしまいました。

さて、サマリーが出ますので確認してOKを押します。
さて、これで完成です。
あとは、Horizon Clientから接続できればOKです!!


今回は、VMwareではサポートされていないRedhat Enterprise Linux 7.1でしたがきちんと動作しましたね。

ポイントは、
  • 仮想マシン構成時は、ビデオメモリの設定とマルチモニター用のパラメーターを設定する
  • ホスト名がDNSもしくはhostsで名前解決ができること
  • あらかじめインターネットに接続できるもしくはJREをインストールしておくこと
  • Agentのインストール完了後、ViewAdministratorを見てもマシンが登録されていなくても焦らない!
  • プールは、手動プールでその他のソースを選択する
というところですかね。

2015年7月26日日曜日

Horizon for Linux を試す(2) Horizon for Linuxは、PCoIPではなくBlastのようです

Horizon for Linuxにより、Linux VDIが実現可能になりました。
ところで、Viewといえば、PCoIPですが、どうやらLinux VDIを利用する際には、PCoIPではなさそうな感じです。

HTML5でのアクセス(いわゆるBlast)は、サポートされないとありますが、agentの中を見るとblastらしきモジュールがあることがわかります。


Horizon Clientを見てみると、Linuxの仮想マシンが入っているプールを見てみると、

なんと、プロトコルが「VMware Blast」のみとなっています。Horizon Clientが3.4になったのは、Native Clientで、Blastをサポートした点が追加されたのでしょうね。

一応、従来のWindows用のクライアントを確認すると、
当然ながら、PCoIPとRDPが表示されます。

つまり、LinuxでHorizon Viewを利用する場合は、Horizon Clientであっても、Blastしか選べないということは、やはりPCoIPではないということなのでしょうか...。

謎なのですが、ドキュメントにはPCoIPですという記載は特にありませんので、おそらくBlastなのではというのが私の現行の見解です。




Horizon for Linux を試す(1) 概要と要件を確認する

先日のHorizon 6.1.1にリリースに伴い、Horizon for Linux及び、LinuxOSをホストOSとした、VDIが実現可能になりました。

現段階でサポートされているOSは、


Linux ディストリビューションアーキテクチャ
Ubuntu 12.04x86 および x64
RHEL 6.6x86 および x64
CentOS 6.6x86 および x64
NeoKylin 6、NeoKylin 6 Update 1x86 および x64


となっておりますが、

その他の Linux ディストリビューションは、View Agent のサポートについて認定されていませんが、View Agent ソフトウェアではこれらのディストリビューションを使用しても構いません。認定されていないディストリビューションもぜひお試しください。たとえば、RHEL 6.5、CentOS 6.5、RHEL 7、Ubuntu 14.04、および UbuntuKylin 14.04のディストリビューションは使用できるはずです


(参考)
https://pubs.vmware.com/horizon-61-view/index.jsp#com.vmware.horizon-view.linuxdesktops.doc/GUID-E268BDBF-1D89-492B-8563-88936FD6607A.html

と記載があります。まあやってみなさい的な話しなんでしょうね...。

ちなみに、このAgentは、Javaベースで動作するようで、agentをインストールする際に自動的にJREをダウンロードするように作られています。
この理屈から考えても、JVMがきちんと動作すれば、OSは特に問わない気がしますね。

インターネットに接続できない場合は、OSにあったJREの1.7.xをインストールしておく必要があります。

必要なJREは、

Linux ディストリビューションJRE のバージョン
Ubuntu 12.04Oracle Java 1.7.0_80
RHEL 6.6Oracle jre-7u79 (1.7.0_79)
CentOS 6.6Oracle jre-7u79 (1.7.0_79)
NeokylinOracle jre-7u79 (1.7.0_79)

と記載があります。

その他に必須な事項として、記載事項にはないのですが、どうやらsimpleVNCなるものが必要なようです。要は、LinuxOSインストール時にVNC-Serverを入れておけばOKのようです。

意外と簡単と思いつつも、実は、その他に要件があります。


Linux 版 View Agent のこのリリースにはいくつかの制約が適用されます。
  • シングル サインオン (SSO) はサポートされません。Horizon 6 にログインしリモート デスクトップを起動した後は、ユーザーは Linux ゲスト OS にログインする必要があります。
  • 自動デスクトップ プールでのみ提供される自動プロビジョニングおよびその他の機能は、サポートされません。たとえば、ログオフ操作の更新は、利用できません。
  • ローカル デバイスは、リモート デスクトップで使用できません。たとえば、USB リダイレクト、仮想印刷、ロケーションベースの印刷、クリップボードのリダイレクト、リアルタイム オーディオ ビデオ、およびスマート カードはサポートされません。
  • HTML アクセスはサポートされません。  
と記載されています。
(参考)
https://pubs.vmware.com/horizon-61-view/index.jsp#com.vmware.horizon-view.linuxdesktops.doc/GUID-67F7E8D6-E98C-4242-94E3-E146A7B1852B.html


つまり、View Administratorで提供される、自動プロビジョニングや管理機能が一切提供されないと言うことになります。
ということは、リンククローンデスクトップができない?という事になりますが、たしかに「Composer」は未サポートです。ただし、PowerShellを用いたリンククローンデスクトップを作成することは可能です。例としては、「検証環境で、サーバーOSの仮想マシンをリンククローンで構成する (PowerCLI+LinkedCloneで手間短縮)」を参考にしてください。

また、VMwareのドキュメントにもCSVから仮想マシンを展開するPowerCLIのサンプルスクリプトが掲載されております。

(参考)
Linux デスクトップ マシンのクローンを作成するサンプル PowerCLI スクリプト


なんとなく、取り急ぎAgentでサポートしたけど、View Administratorの管理はまだできていないから、ハードウェアPCoIPオフロードカード搭載機種と同じようにViewで個別で登録管理してください的な感じですね。


さて、あともう3つこっそり記載された要件があります。

展開環境で Windows Server 2012 や Windows Server 2012 R2 Active Directory (AD) サーバが使用されている場合、元に戻せるパスワードの暗号化を有効にします。 

(参考)
リモート デスクトップを展開するために Linux ゲスト OS を準備する

この手順をきっちりやって置かないと、何度やってもうまくいきません...。(相当はまりました)

あとは、XWindowについてです。

gnome デスクトップ環境として仮想マシンを構成します。
基本的な接続およびオーディオとビデオは Kubuntu などのいくつかのディストリビューションで正しく動作しますが、KDE による View Agent のサポートは認定されていません。

と記載があります。要はGNOME以外は基本的にサポート外と言うことなのでしょう。
こちらも押さえておく必要がありますね。

最後は、DNSについてです。

インストール後に、View Agent は View 接続サーバ インスタンスの FQDN のリストを構成ファイル /etc/vmware/viewagent-machine.cfg に保存します。View Agent をインストールするときに -b パラメータで View 接続サーバ インスタンスの IP アドレスを指定している場合であっても、View Agent は FQDN を使用します

要は、クライアントとViewConnectionServerがそれぞれFQDNで名前解決ができるようにDNSの設定(レコード追加)があらかじめ必要だと言うことですね。

さあ、ここまで押さえておけば大丈夫です。次回は実際に導入するところを見ていきたいと思います。