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2015年12月23日水曜日

vSphereのライセンスを再確認(3) vSOMについてくるvRealize Operationsのエディションを確認

vSphere with Operations Management こと、通称vSOM。
こちらには、エディションとして
  • Standard
  • Enterprise
  • Enterprise Plus
と3種類のエディションが販売されています。

vSOMってなに?というかたは、まずはこちらをご覧ください。
vRealize Operations Manager を見てみよう(1) vSOM? vCOps? vROps? 皆同じツールです

さて、この3つについてくるvRealize Operations(vROps)のライセンスは何になるのでしょうか?

その答えは、vSOMのエディションに関係なくすべて「vRealize Operations Manager Standard」ライセンスが付与されることになります。

vSOM Enterprise Plus買ったら、「vRealize Operations  Enterprise Plus」が手に入るわけではありません。(vSphereのEnterprise Plusは手に入ります)
※そもそもvROpsにEnterprise Plusなんてライセンスは存在しません。

vSOMのエディション表記は、vSphereのエディション表記で有り、vROpsのライセンスではないことに注意が必要です。

さて、vROpsは単体で購入することもできるのですが、なぜVMwareは、vSOMを押しているのでしょうか?

それは、 ライセンス体系にあります。単体のvROpsのライセンスは25仮想マシン単位のライセンスとして販売されます。vSOMは、vSphereのライセンス体系と紐付いたライセンスになるため、CPU課金でのライセンスとなります。

つまり、サーバーの性能がよくなった現在において、そこそこの集約率になれば、vROpsよりもライセンス料が割安になる可能性が高いと言うことがいえます。

でも、既存でvSphereのライセンスを買ってしまったので、またvSOMに買い直すのもなーと思われている方も大丈夫です。vSOMには、既存vSphereからのライセンスアップグレードを行うアップグレードパスが用意されています。

たとえば、vSphere Standardをお持ちであれば、vSOM Standardといったようにお持ちに手持ちのvSphereエディションをvSOMありの同一vSphereエディションにアップグレードできます。

尚、vSOMへのアップグレードは、今年の12/26まで(もうまもなくですが)キャンペーンが行われており、割安で購入することができます。

(参考)
vSphere with Operations Management へのアップグレード キャンペーン





2015年8月8日土曜日

vRealize Operations Manager を見てみよう(5) vROpsは何が凄いのか(その3)

前回に引き続き、さらにvROpsの凄いところを見ていきましょう

[その5]
リソース不足の時、どれくらい増やせばいいかを教えてくれる!
過剰リソースをこれだけ押さえられますというのと同様に、リソース不足が生じている仮想マシンの場合は、これだけ増やすといいですよという情報も教えてくれます。
今までですと、経験豊富なSEさんのいわゆるKKD(勘と経験と度胸)により、割り当てられていたリソースも、経験不要で無駄なくリソースを割り当てることができます。
 
この場合ですと、vCPUが1コアで構成された仮想マシンに対して、CPUのリソース不足が生じており、3vCPUに割り当てを変更しましょうという推奨が出ています。

[その6]
これから追加するリソースをシミュレーションできる

これは、どういった意味かというと、現行のリソースに4vCPUでvRAM 24GBの仮想マシンを構築予定なんだけど、リソース足りるかな?大丈夫かな?といった場合、また既存の仮想マシンのスペック不足の際に、同じ仮想マシンをコピーしてESXiホストに配置した場合、ESXiホストのリソース不足にならないかなどをあらかじめ、シミュレーションが可能です。
こちらの例は、8/15に、仮想マシンを追加するシミュレーションを行った際に、ESXiホストのメモリーが不足することがわかる状態ですね。
追加対象は、クラスターでも可能です。
これらの、vROpsの機能を利用することで、リソースの現状を把握するだけではなく、適切なリソースの割り付けを行い、無駄を減らすことと、全体的にリソース不足の場合は、追加機器を購入する際の稟議決裁におけるエビデンスとして利用することも可能ですね。
これらは、従来の監視ツールではできないことです。
逆に言うと従来の監視ツールと同じことは、vROpsではできません。

2つの監視ツールと運用管理ツールであるvROpsをうまく組み合わせることで、無駄のないIT投資と、トラブルの減るデーターセンター運用が可能になると思います。


vRealize Operations Manager を見てみよう(4) vROpsは何が凄いのか(その2)

前回に引き続き、vROpsがなんで凄いのかの続きを見ていきたいと思います。

[その3]
オンプレだけじゃない、vCloud Airはもちろん、AWSも含めたパブリッククラウドも統合的に管理可能!

専用エージェントを入れて監視を行う監視ツールと異なり、vROpsは、vCenter Serverとの接続だけでOKという話をしましたが、オンプレのvCenter Server以外にも、vCloud AirやAWSなどのパブリッククラウドを同じように統合監視することができます。
時代は、用途に応じたマルチクラウド時代に突入しようとしています。従来のエージェント型の監視システムでだけで対応できないエリアを、vROpsで運用管理するのもよいかと思います。
ちなみに、VMware社は、Azureの対応も行うとの話しを聞いたことがあります。
そうなれば、主要パブリッククラウドにほとんど対応することになりますね。

[その4]
リソースの無駄を教えてくれる!

通常の監視ツールは、リソースが不足した際に閾値に基づきアラートが発せられます。
vROpsは、全体のリソースを把握しますので、いわゆる「リソースの無駄」 を教えてくれる機能があります。

こちらの例ですと、4GBのメモリーを割り当てていますが、実質1GBも利用していない時間が多いので、これだけメモリーの割り当てを少なくできるよ!というおすすめ情報が出ています。
同じく、vCPUも、4コア割当たっていますが、2コア相当しか利用為ていないので、vCPUは2コアでいいですよという、情報を出しています。

これをうまく活用することで、いわゆるオーバースペックによるリソースの無駄を削減することが可能です。これは、今までの監視ツールできはできなかった事のなります。




vRealize Operations Manager を見てみよう(3) vROpsは何が凄いのか(その1)

さて、vROpsは他の監視ツールと違うと言うこと、また、vROpsは、監視ツールと組み合わせて利用することで、潜在的な問題と突発的な問題の両方を把握できると言うことがわかりました。

では、運用管理ツールとしてvROpsは何が凄いのかを見ていきたいと思います。

[その1]
vCenter Serverに接続されているデバイスや仮想マシンは、1つ設定するだけで、すべて監視対象に!

通常の監視ツールは、IPアドレスに基づき、1つずつ監視ノードの追加し、閾値の設定が必要ですが、vROpsは、vCenter Serverアダプタの設定1つするだけで、ESXiホストから、接続されたストレージ、仮想マシンまでvCenter Serverで管理できるオブジェクトはすべて管理対象となります。
これは、楽です。

vCenter Serverを複数設定できますので1つのvROpsで、複数のデータセンターを管理するような事も可能です。


[その2]
今まで見えにくかった、IOPSやネットワーク通信料を見ることができる!

ネットワークトラフィックは、SNMPを利用することである程度の通信料は見る個はできましたが、すべての仮想マシンを対象にすると、設定がかなり大変かと思います。
IOPSは、ストレージにツールがある場合ぐらいでしか見る事ができないことが多いかと思います。

しかし、vROpsを利用すれば、ESXiホスト単位はもちろん、仮想マシン単位でもIOPSやネットワークトラフィックを見ることができます。


このスクリーンショットでは、思ったほどネットワークやIOPSは負荷が少ないようで、数値も少なめですね。
状態を常に取得し、状況を元に判断するというvROpsならではであり、このようなIOPSや、ネットワークトラフィック情報など細かくとりづらかったものが取得できるというのは、vROpsの凄いところだと思います。



vRealize Operations Manager を見てみよう(2) vROpsは、監視ツールと何が違うのか?

vRealize Operations Manager(vROps)は、VMware社が力を入れている、管理ソリューションソフトウェアです。

vROpsって監視ツールなんでしょ。監視ツールななんて、今までもたくさんあったじゃないですか!と思われる方も多いことでしょう。たしかに、JP1やSystem Walker、Web管理画面ですとOPManagerや、最近ではZabbixなど、有名どころはたくさんあります。

ただ、vROpsは、運用監視ツールと表現するには多少語弊があります。
先ほどあげたようなたとえば、JP1やZabbixに求める機能は何でしょうか?

これらの運用監視ツールに求めるものは、
  • サーバーやその上のアプリケーションの稼働状態を監視し、閾値に基づきアラートをあげるツール
  •  障害発生時には、この監視ツールが取得した定期的な情報を元に、何が起きたのかを解析する原因調査の1つのツール
なのではないかと思います。

この場合、閾値を超えた場合は何らかの異常が発生したという認識を監視ツールは行いますが、閾値は管理者自らが設定するもので有り、監視ツール自身が閾値を自動調整することはありません。今まで、運用側のエンジニアは、この閾値を設定することが大変な作業であったかと思います。
  • アプリケーション用途や利用人数に応じた閾値の設定
  • 昼と夜間で異なる閾値の把握
  • 閾値を高く設定することによる、トラブル未検知
  • 閾値を低く設定することによる、誤検知
これは、保守運用(特にデーターセンター管理者)にとっては、新しいシステムを導入するたびに発生する永遠の悩みだと思います。

vROpsは、これらの監視ツールとは違い「運用管理ツール」という位置づけになります。
監視ツールとの最大の違いは、違いという点で大まかに言うと「閾値は、vROpsが自動で設定する」 ということです。

これは、デフォルトで閾値の設定を持っているだけでしょ?と思われる方も居るかもしれませんが、確かにある程度のデフォルト値を持ってはいますが、監視するサーバーや仮想マシンの状況を定期的に取得し、そのマシン状態の平均を割り出し、その平均値をアラートの閾値として稼働するロジックが組み込まれております。

実際の現場で考えてみましょう。
夜間3時から6時まで処理を行うバッチ処理サーバーがあったとしましょう。
3時から6時までは常に90%程度のCPU利用率がありますが、バッチが終了したらCPU負荷率は0%になる状況です。
この場合、通常の監視ツールですと、閾値を90%にすると、3時から6時の間でひょっとするとアラートが上がる可能性があります。

vROpsは、今まで取得した統計情報を元に閾値を考えますので、3時から6時までのCPU高負荷は、異常とはとらえません。但し、通常処理のない日中にCPUが高負荷になった場合などは、今までと違う動きをしますので、異常ととえられます。

いわゆる、全体の動作を把握して、いつもと違うか否かで異常を判断する仕組みとなります。

言い換えますと、長くvROpsを利用為ていればいるほど、「いつもの」状態がわかるわけですが、vROpsを構築してすぐに監視ツールとして使えるかと言えば使えないというのが答えになります。

vROpsは、状態を監視して、いつもの動作をしていない環境をリストアップすることで、通常では気がつきにくい負荷の状態や、隠れているトラブルの種を検知することができます。


監視は、今までの監視ツールで行い、状態を管理するシステムとしてvROpsを導入することで、潜在的なトラブルと突発的なトラブルを検出し、安心して夜眠れる運用管理者のためのシステムが、vROpsと言ってよいでしょう。



vRealize Operations Manager を見てみよう(1) vSOM? vCOps? vROps? 皆同じツールです

VMwareから発売されている管理ソフトとして、vRealize Operations Managerがあります。
VMwareユーザーであれば、おそらくプロモーション等でこんな画面を一度は見たことがあるのではないでしょうか?


バッジの色とスコアで、状態が把握できるツールとして大変人気です。

あれ、これって、vCenter Operations Manager(vCOps)ですよね?
いやいや、vSOMですよね。

と思われる方も...。

この製品、VMwareの注力ソリューションではあるのですが、製品名称が変わったり複雑な販売体系のため、名前が錯綜しています。それぞれの名前を一度確認してみたいと思います。

  • vROps
    vRealize Operations Managerの略。
    この管理ソフト単体の現在の名称。(2014年の秋に名称変更によりこの名前に)
    バッジとスコアで状態が把握できるVMware製のソフトといえば、現行「vRealize Operations Manaher (vROps)」が正しい形になります。
  • vSOM
    vSphere with Operations Managerの略
    つまり、vSphereとvRealize Operations Managerのセット商品となります。
    そのため、この画面をvSOMですと言われる方もいらっしゃいますが、厳密に言うと、vSOMではなく、vROpsの画面という方が正しいことになります。
  • vCOps
    vCenter Operations Managerの略
    この製品が出た時代(2012年?)当時は、vCenter Serverの拡張製品という位置づけの元、vCenterシリーズに属していました。
    2014年11月のVMware社の発表により、vCOpsは、vRealizeシリーズにブランドが変わることになり、現行ではvCOpsという製品は販売終了になっているという事になります。
vROps(vRealize Operations Manager)が現行の正しい名称となるわけですが、「ヴイアールオプツ」というのは、正直日本人には言いにくい感はあります。
前は、「ヴイコップス(vCOps)」でしたが、「ヴイソム(vSOM)」のほうが言いやすいため、この画面を見るとvSOMと言ってしまうのは、日本人ならではなのではないかと思います。

単純に言うと、vROpsが現行の正しい名称。vCOpsは、昔の名前。vSOMは、vSphereとvROpsのセット商品と覚えておきましょう。

共通点は、みな、vRealize Operations Managerのこと(複合製品の一部)ということです。