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2015年7月5日日曜日

クラウド時代のライセンスについて考えてみる

ソフトウェアのライセンスは、昔のパッケージ販売から、ライセンス販売となり、物理的なサーバーの台数からCPUや仮想マシン台数などラインセンスのカウントや考え方もクラウド時代に伴い変わっております。ライセンスは各メーカーによってばらばらですので統一した話はできませんが、避けては通れないマイクロソフト製品に関してまずは、押さえておきたいと思います。

まず、はじめに押さえておきたいことですが、Windows Serverの自前ライセンスをパブリッククラウドで利用することはできません。

★SPLA(Microsoft Services Provider License Agreement)

SPLAは、クラウドプロバイダーがマイクロソフトと契約し、クラウドプロバイダーがクラウドサービス利用者に、OSの料金を請求する仕組みです。(従って、マイクロソフトとエンドユーザー間での契約や請求等はありません)
費用は月額で、金額はクラウドプロバイダーによって変わります。
SPLA自体は、ユーザー数とCPU数の2パターンが有り、クラウドプロバイダーは、ユーザー数や規模に応じてあらかじめどちらかの契約をマイクロソフトと行います。
(主にWindows Server OS)
※アクセスするユーザーにCALの手配は必要ありません。

★VDA(Virtual Desktop Access)

オンプレで、Horizon Viewを構築する際にも必要になる、VDA。クライアントOSのライセンスとなります。SPLAは、サーバーOSと一部のミドルウェアしかなく、クライアントOSのSPLAは提供されませんので、VDAのライセンスを適用することになります。


★Microsoft Client SA

クライアントPCを購入し、90日以内にSAを購入することで、VDIとして利用できるライセンスです。
VDAと違い、DaaSにアクセスできるクライアントOSが、Windows Thin PC等に制限され、AndroidやiPadなどのWindows以外でのアクセスは基本的にNGとなります。


★RDS CAL+SA

クラウド上で、RDSを利用したクラウドサービスを利用する場合、従来はRDS SALが必須でしたが、オンプレのRDS CAL+SAのセットを持っていれば、そのライセンスをクラウド環境で利用することが可能となります。


★RDS SAL(Subscriber Access License)

RDSCAL+SAでサポートされないパターンがあります。それはICAやPCoIPのように、RDSのSBC方式(セッション型デスクトップ機能)を利用するが、プロトコルがRDPでは無い場合です。
この場合、RDS SALが必要となります。(もちろんWindows Server分のSPLAも必要ですよ)


★BYOL(Bring Your Own License)

オンプレ用で利用為ているライセンスをクラウド上で利用する方法。主にSQL Server等のMSのミドルウェア製品に適用されます。SAが必須となりますので、ご注意を。


正直、マイクロソフト製品だけでこれだけ考え方があるとすでにややっこしいですね。
IaaSですと、SPLAかBYOLか、DaaSですと、基本はVDAを検討することになると思います。


Horizon Airで必要なネットワーク構成

Horizon Airを利用するには、当然ながらネットワークが必要です。
デスクトップに安全に接続するには、VPNが必要な気もしますが、VPNのサービスなどは特に発表されていません。

いろいろ調べていますと、どうやらHorizon Airは、vCloud AirのDCのサービス上で動作するという未確認情報(ほぼ間違いないと思いますが)を得ました。

この条件から、Edgegateway(ユーザーからの操作は不可)を利用してIPSECでのDaaS接続が可能なようです。

また、インターネットから直接の接続(Viewでいうところのセキュリティーサーバー)も可能です。

オンプレにADやファイルサーバーを配置している場合もIPSECが張れるのであれば、安心ですね。

ちなみに、ファイルサーバー等もvCloud Airに配置して、vCloud AirとHorizon Airを接続することも可能なようです。
(ただし、vCloud AirとHorizon Air間はVPN接続のようです)


ただ、Horizon AirにADが設置できるという説もあるようです。


この場合、料金はどうなるのでしょうね?

ちょっと謎が多いところがまだあります、クラウドの割に自由な構成が組めそうですので、DaaS導入におけるオンプレ側の環境構築(ネットワーク見直し等)は最小限ですみそうですね。

ちなみに、アラスカ航空グループのホライゾン航空(Horizon Air)とは関係がありませんので、お間違いなくどうぞ。

Horizon Airついにデビュー

vCloud AirのサービスでDaaSサービスがついにリリースされました。
その名は「Horizon Air」です。

提供モデルは以下の通りです。

デスクトップモデルStandard
(1台/1ヶ月)
Advance
(1台/1ヶ月)
Enterprise
(1台/1ヶ月)
Hosted Apps Server
(サーバー1台/1ヶ月)
最低購入数5050505
プロセッサー1vCPU2vCPU4vCPU20vCPU
メモリー2GB vRAM4GB vRAM8GB vRAM30GB vRAM
ハードディスク30GB60GB120GB100GB
アクセスデバイスHorizon View Client, PCoIP対応ゼロクライアント , HTML5対応ブラウザ
種類パーシステント(永続)/ノーパーシステント(非永続)アプリケーションまたは共有デスクトップのRDSHセッション
対応OSWindows XP , 7 ,8 x64
Windows Server 2008 R2 / 2012
Windows Server 2008 R2 RDSH


PCoIPで、所有ではなく利用という形でデスクトップが利用できるのはありがたいものです。
また、一時的な協力会社さんの出向等で一時的にデスクトップが必要になる際に、PC調達の稟議決裁や購入手配から納期の確認など面倒な作業は、Horizon Airの利用により解決できますね。

ややハードルが高いと思われるのは、購入最低台数が、50台というところですね。
こちらは、MSのライセンスで、共有の環境で動作させることが禁じられているため、顧客ごとに占有のハードウェアで動作している分のコストがその要因ではないかと思います。

※独り言ですが、世の中のVDI普及を阻害しているのは、MSのライセンスが一番大きな要因ではないかと個人的には思っていたりもします・・・。

クライアントとして、Horizon Clientはもちろんのこと、ブラウザーによる操作(BLAST)に対応しているのは非常に便利ですね。
ホテルの共有PCでも、HTML5対応のブラウザーがあればなにもインストールせずに自分のデスクトップが触れるのはありがたい話しです。

管理画面はこんな感じのようです。


画面を見ると、どうもロゴだけ差し替えられたDesktoneですね。

ちなみに、Desktoneの画面です。

Desktoneは、PCoIPやBLASTを対応していませんでしたから、この辺にアップデートされた上で提供されているんでしょうね。