ラベル Oracle の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル Oracle の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2015年9月27日日曜日

Oracle SE2へのマイグレーション方法

先日、クラウドライセンスとOracleについて、投稿しましたが、いろいろと追加の質問を頂きましたので、番外編として、既存のOracleライセンスからOracle SE2へ移行についていただいたQAを記載したいと思います。

Q.SE2の金額は?
A.今までのSEと同等の金額になるようです。価格の比較表は以下の通りです。


項目SESE OneSE2

Named User Plus
ライセンス¥42,000¥21,600¥42,000
保守¥9,240¥4,752¥9,240

Processor
ライセンス¥2,100,000¥696,000¥2,100,000
保守¥462,000¥153,120¥462,000
利用可能バージョン~12.1.0.1制限なし
機能RAC可能
(4CPUまで)
RAC不可RAC可能
(2CPUまで)
最低購入数1サーバーあたり
5NUP
1サーバーあたり
10NUP



Q.SE2はいつから発売されるのですか?

A.2015年10月1日より日本でも発売開始となります。



Q.SEやSEOneは買えなくなるの?

A.現時点でSEやSEOneは、販売終了日は公表されていませんが、近いうちに販売終了になと思われます。
2015/11/26更新
日本オラクルから、販売終了のアナウンスが発表されました。
最終は、2016年2月末です。
詳しくは、Oracle SE/SE Oneの販売終了日がアナウンスされましたをご参照ください。



Q.今までSEやSEOneを持っていた場合、SE2への移行方法はあるの?

A.既存契約で保守契約が有る場合、マイグレーションが可能です。
ただし、マイグレーションを行った場合、SE2での制限事項に合わせる必要があります。
たとえば、既存環境でSEを利用して2Wayのサーバー2台を利用したRACを構築している場合、SE2に移行した場合、4CPUでのRAC構成はライセンス違反になるため、各ノードのCPUを無効にする必要があります。(本番環境で動作している場合、これは難しいでしょうけど・・・)

マイグレーションの方法は以下の通りです。

既存ライセンスがSEから、SE2への移行

NUPの場合
保守契約期間中であれば、無償で既存ライセンスと1:1で移行可能です。
ただし、既存ライセンスが10NUP以下のライセンス保有の場合、最低購入数を割っていますので、新規で10NUPになるよう、足りないライセンスを追加で新規購入する必要があります。

Processorの場合
保守契約期間中であれば、無償で既存ライセンスと1:1で移行可能です。


既存ライセンスがSEOneから、SE2への移行

NUPの場合
既存保守契約期間中であれば、現行の保守費用の20%上乗せをすることで、既存ライセンスと1:1で移行することが可能です。
ただし、既存ライセンスが10NUP以下のライセンス保有の場合、最低購入数を割っていますので、新規で10NUPになるよう、足りないライセンスを追加で新規購入する必要があります。

Processorの場合
保守契約期間中であれば、現行の保守費用の20%上乗せをすることで、既存ライセンスと1:1で移行することが可能です。



Q.12.1.0.2をSEやSEOneで利用することはできないのですか?
A.SEやSEOneで適用できるライセンスは、12.1.0.1までです。従って、12.1.0.2を利用したい場合は、 SE2へのライセンスマイグレーション(移行)が必要です。

2016.1.25
尚、保守契約がない場合におけるマグレーション方法のFAQを追加しました。
Oracle SE2へのマイグレーション (保守契約がない場合)



SE2の疑問な点は、晴れましたでしょうか?
そのほか条件等は、

クラウド時代のライセンスについて考えてみる(番外編・Oracle SE2について) 

を参考にしていただければと思います。





2015年9月23日水曜日

クラウド時代のライセンスを考えてみる(その2・Oracle編)

以前に、マイクロソフト系のソフトウェアライセンス体系について、クラウド上で必要なライセンスを見てみました。

では、MSと同じように基幹システムで利用しているOracleに関して、今回は見てみたいと思います。

実は、Oracle製品をvCloud Airで動作させるためには、DedicatedCloud、すなわち契約者占有型のクラウド環境でしか動作が認められていません。VPC、つまり共有型のクラウドでは、システム上は問題なく動作しますが、ライセンス的に稼働が認められていないことになります。

これは、vCloud Airだけに課された課題ではなく、一般的なクラウドサービスにおいてもライセンス上動作不可能なパブリッククラウドがあります。

これは、Oracleのライセンス体系が、物理ハードウェアに紐付いたライセンスに基づくためです。

vCloud Airの場合、Dedicated Cloudは、CPUやメモリーなどの各リソースは、顧客専用に割り当たっているため、その物理スペックに応じたライセンスを購入すれば、利用可能です。

一方、Virtual Private Cloud、つまり共有型の場合、vCloud Airは、HAの技術でどこかのノードにフェールオーバーする可能性があることと、メンテナンスやDRSによる負荷分散のためvMotionする可能性もあるので、Oracleがインストールされている仮想マシンが動作する可能性があるハードウェアのリソースすべての分のライセンスを購入する必要があります。

これは、オンプレミス環境でOracleを構築する際にも適用されます。
たとえば、2Way(2つのCPUを搭載したIAサーバー)を20台でvSphereでHA構成を組んでいた場合、ライセンスとしては、

CPUライセンスの場合
 2CPU × 20台 = 40vCPU

NUPライセンスの場合(たとえば10NUP手配の場合)
 10NUP(人数) × 20台 = 200NUP

の手配が必要となります。

仮想化におけるOracleのライセンスポリシーはこちらで確認できます。
https://faq.oracle.co.jp/app/answers/detail/a_id/2673/session/L3RpbWUvMTQ0Mjk4MDI5MC9zaWQvdjlBTnk5eG0%3D


OracleVMだったら、仮想マシンのライセンスだけでよかったはずですよねと思われている方もいるかもしれませんが、それはOracleVMが出た当初の話しで、現在は、ハイパーバイザー型の仮想化環境上で動作させる場合、その種類に関係なく同じライセンスの方式が適用されます。

こう考えるとOracleは、仮想化環境で動作させるには非常にハードルの高い製品となります。

ちなみに、AWSやAzureは、Oracleが使えるのはなぜ?と思われるかもしれませんが、これは、Amazon社やMicrosoft社が、Oracle社と個別契約を行い、あらかじめ多額のライセンス料をOracleに支払った上で利用可能となっているそうです。

vCloud AirのVPCでも、Oracle製品が利用可能になってほしいものですが、Oralce自信のライセンス体系が、クラウドファースト時代にちょっと合っていないレガシーな考え方ですので、こちらも見直してほしいものです。