(本件は、vSphere6 アップデート情報(6) FT機能のアップデートについて で記載しています)
ミッションクリティカルな現場では、FTによる高可用性は非常に魅力的で有り、またVMware以外のハイパーバイザーではFT機能は搭載されておらず、差別化も可能な機能でも有りあります。
さて、以前に記載したとおりFT機能は、従来のLockStepテクノロジーから全く新しいアーキテクチャーに変更されました。
ポイントは3つです。
- 10Gpsのロギングネットワークの構築が必須
- ロギングネットワークを利用し、 CPU命令/メモリー情報/ディスクI/Oのすべてが同期される
- 仮想マシンのVMDKは、稼働しているDatastoreと別のDatastoreに配置し、フルクローンされる
ポイントの2点目です。従来は共有ディスクが必須で有り、ディスクI/Oは、ロギングネットワークでは同期されず、CPU命令やメモリ命令がESX(i)筐体間で同期をとっていましたが、vSphere6のFT機能は、CPU/メモリー情報に加えて、ディスクの読み書き情報もフルで同期されるため、10Gbpsのロギングネットワークが必須となりました。
従来は共有ディスクが必須であったというのはポイントですが、逆に共有ディスクの障害にはFT機能での対応できなかったというシングルポイント(欠点)が今回解決されたことはよくなった点でもあるでしょう。
アーキテクチャーの簡素図
さて、ここで疑問になる点は、FTで同期をとっている待機系を指定する際に、稼働しているデーターストアと別のデーターストアに配置する点です。
ということは、共有ディスクは不要で、FTを構築することが可能なのか???というところはコストの厳しい現場ではなんとしても気になるところですね。
vSphere6のドキュメントで可用性の項を読んでも、共有ディスクが必須という記載はどこにもありません。ということは共有ディスクなしでいけるのかと思い確認をしてみました。
まず、結論から言いますと、共有ディスクは必須です。
その理由を説明しましょう。
まず、FTで構成する際に、設定が必要なファイルが3つ有ります。この3つの配置先ストレージを選択する画面が表示されます。
この3つにポイントがあります!
まず、VMXファイル、つまり仮想マシン構成ファイルと、スプリッドブレインを防ぐためのタイブレーカーファイルは共有ディスクのデーターストアにしか配置できない仕様になっています。
仮想ディスクファイルであるVMDKは、共有ディスクにこだわらず、ローカルディスクのデーターストアにも配置可能です。
たしかにスプリッドブレインを防ぐためには、クォーラムディスク的なものが必要になりそうなると共有ディスクは必要になりますね。
ただ、VMXファイルもが共有ディスクにあるということは、PDLのようなトラブルでこの共有ディスクが見えなくなると、おそらくFTの仮想マシンも停止するような気がします。
(ということは、せっかくVMDKを分けていても、結果仮想マシンは停止する・・・)
ということで、共有ディスクはFT(フォールトトレランス機能)を構成する際に必須と言うことで覚えておきましょう。
その他にも確認事項がたくさんあります。
詳しくはこちらをチェックしておきましょう。
- Fault Tolerance の要件、制限、およびライセンス
- Fault Tolerance でサポートされない vSphere の機能
- Fault Tolerance と互換性のない機能とデバイス
- Fault Tolerance のチェックリスト
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