2015年7月11日土曜日

ハイブリッドクラウドとマルチクラウドの時代に向けて (vRealize Air シリーズ)

IaaSサービスがはじまりまもなく10年近くたちます。

仮想化技術の進化により集約率が高まったことから、AWSなどの大手のクラウドプロバイダーと、自治体のクラウド化推進により、地域SIerが自社で構築したIaaS、そして、vCloud AirやMicrosoft Azureのような、大手ベンダーのパブリッククラウドのリリースなど、現代はたくさんのクラウドサービスが展開されています。

当初行政のクラウドサービス推進の波に乗り、地域SIerは自社でクラウド基盤(仮想化基盤)を構築・運用を始めたところが多いですが、クラウドサービスといっても裏で動いている基盤は、ハードウェアであったり物理的なネットワークで有り「オンプレ」に変わりは無く、利用者からは、クラウドサービスとして入り用が可能ですが、運用業者はハードウェアの保守と5年おきのリプレースの事を考えなければならず、規模が大きくなると、保守とリプレースといった維持に頭を悩ますという話を聞いています。そのため、最近では地元SIerがクラウドサービスをやめたくても、顧客が居るためやめることができず、パブリッククラウドを自社のサービスにリブランド化して販売するケースを模索している話しもよく耳にします。

一方、AWSやMicrosoft Azureは、その独自性によるメリットはありますが、この機能を中心に構成・構築をすると、もうそのクラウド環境しか利用することができず、オンプレに戻すことも、他のクラウドサービスに引っ越すことも難しくなってしまいます。

これが、クラウドロックインです。

vCloud Airは、すでにあるvSphereと同じ基盤のため、オンプレの仮想マシンをクラウドに持って行くことも、逆にセキュリティやパフォーマンスの観点からオンプレに戻すことも可能です。

しかし、AWSの便利なPaaS機能を利用しつつ、vCloud Airの堅牢な基盤を利用し、クラウドサービスを複数使って、各社のパブリッククラウドの”適材適所”な特徴を利用した、「マルチクラウド」な時代がすぐそこに来ている(求められる)時代になると思います。

VMwareでは、こんなマルチクラウドを推進するための製品が計画されています。
それは、

  • VMware vRealize Air Automation (vRAA)
  • VMware vRealize Air Compliance (vRAC)
 です。

特徴は、いずれもライセンス製品ではなく、「SaaS」として提供される点です。

詳しい製品概要は未だ出ていませんが、およそ、vRAAは、vCenter Automation Center (vCAC)のSaaS専用版になるのではないかと思います。
vRACは、およそvRealize Operations Manager(vROps)の、SaaS版になるのではないかとも思います。(vRACは、デモ画面を簡単に見る限り、専用の画面が作り込まれていたような感じがします)



ベータ版もリリースされていますので、興味がある方は是非お試しください。
http://www.vmware.com/jp/cloud-services/management/

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